神道研究室

在野の神道研究者が神社の問題に鋭く切り込みます

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

西荻窪の三峯神社

西荻窪のケヤキ 西荻窪2丁目にある大きなケヤキがマンション建設により伐採されることになり、地元住民を中心に反対運動がおこっています。 東京・西荻窪「もう一つのトトロの樹」が伐採へ スーパーゼネコンvs住民「反対運動」が広がる(亀松太郎) - 個人 -…

本庁における緊急動議とは何か②

議案提出権の問題 本庁における緊急動議とは何か① - 神道研究室で「緊急動議」は「議題」の提案であると解説しました。「神社本庁評議員会会議規則」(以下、「会議規則」と略す)第25条、37条、38条において「議題」と表記されています。 ここで1つ疑問が…

本庁における緊急動議とは何か①

緊急動議とはなにか? 5月評議員会で「緊急動議」が提出されましたが、緊急動議の定義と効力について今回は整理したいと思います。 まず「庁規」の関係条文を揚げていきます。 第32条 評議員会の議案は、統理が提出する。評議員は、賛成評議員十人以上の署名…

外苑の樹木は御神木ではないですよ

鵜飼秀徳氏の主張に駁す 真言宗僧侶でジャーナリストの鵜飼秀徳氏が都内最大級の再開発事業で大揺れ…明治神宮外苑で年月を経て"神々"になった大樹を易々と伐採していいのか 坂本龍一氏や村上春樹氏も再開発に反対…3m超の樹木700本以上を伐採予定 | PRESIDENT…

宗教法人依存神道と統理の承認事項

はじめに 神社穂の長5月評議員会において、田中恆清氏が国の認証を受けた「庁規」を基準として神社本庁を運営すべきと主張したことに対して、花菖蒲ノ會会報第16号は以下のように批判しています。 「宗教法人依存神道」とでも名付けたらいいのかもしれません…

花菖蒲ノ會会報第16号読後評

占領下の話ではない 5月評議員会において田中恆清氏が評議員会で葦津珍彦の「秘録」を論拠に統理の指名が伝統ではないという主張をしました。これに対し花菖蒲ノ會会報第16号(「評議員会」と「高裁判決」の報告|自浄.jp)では「「秘録」に記されてゐるのは…

白いベンツと寿司屋

はじめに 今回は「1年前の7月7日、旭川地裁に現れたのは・・・・|自浄.jp」についてです。この記事なかでは3点の画像が示されています。 令和4年7月7日、M氏が運転手として𠮷川前副総長・小野常務理事とともに旭川地裁に訪れたことを報じる「東洋経済オンラ…

総長選任問題と議決権

総長選任までの流れ 神社本庁における評議員会は、会社や各種団体における「総会」のようなものです。そして評議員会において役員(理事)が選出され、役員が集まって総長が選任されます。以上を整理すると次のようになります。 都道府県神社庁で評議員を選…

神社の民主的運営

氏子の議決権について考える 氏子の権利義務について、歴史的に運営に参加できる氏子と参加資格のない氏子が存在することを過去のブログで解説しました(マンション建設と氏子の権利義務 - 神道研究室)。運営への参加資格は神社の維持について義務を負う代…

神道政治連盟と自民党

自民党を支持することに対する質問 宗教と政治の関係について以下のような質問をいただきました(原文には過激な表現がありましたのでオブラートに包んで要約しました。あしからず)。 神道を異端視するような教団と交流のある自民党を神社が支持することは…

宗教団体と宗教法人 2つの神社本庁

提訴した時点で 総長選任をめぐる6月14日の東京高裁の判決は「宗教団体だから」というロジックを一切採用しませんでした、今回はその理由について考えたいと思います。 まず宗教法人法85条には、行政や司法には宗教団体の宗教上の事項(教義など)を審判する…

マンション建設と氏子の権利義務

境内地にマンションを建設 都内の神社が境内地にマンションを建設し、社殿修繕費などの維持費を捻出する計画を進めていたところ、氏子や地域住民から反対の声があがり、ニュースとなりました。 これに対してコメント欄では反対する氏子が費用を負担すればい…

外苑再開発に対する玉川徹氏のコメントについて論評

玉川徹氏のコメント 明治神宮外苑の再開発「羽鳥慎一のモーニングショー」において玉川徹氏がコメントをしました。今回はそのコメントに対して論評していきたいと思います。 玉川徹氏 神宮外苑再開発、伐採→植樹に「100年ごとに新しく生えればいいという場所…