占領下の話ではない
5月評議員会において田中恆清氏が評議員会で葦津珍彦の「秘録」を論拠に統理の指名が伝統ではないという主張をしました。これに対し花菖蒲ノ會会報第16号(「評議員会」と「高裁判決」の報告|自浄.jp)では「「秘録」に記されてゐるのは、GHQの監視下の時代のことで、この時代の本庁に立ち戻りたいとのお考へなのでせうか」と反論しています。
「秘録」というのは54ページの冊子です。そして、そのなかで述べられているのは、占領下だけではなく、平成の大嘗祭までです。そのため「記されているのは、GHQの監視下の時代のこと」という花菖蒲ノ會の反論は誤りです。「秘録」には昭和30~40年代の「総長選挙」の話も載っています。
憲章によって統理の指名権はどうなったか?
前に検証したとおり神社本庁憲章の初期案では「議を経て」がなく、「総長は理事のうちから統理が指名する」でした。これに対して民主主義に反するという意見が出されて、最終的に「役員会の議を経て」が書き加えられました。
こうした制定過程から考えて、神社本庁憲章は「庁規」を否定するものではなく、庁規を追認し「統理の指名が形式的なもの」だと認めていることは明らかです。