神道研究室

在野の神道研究者が神社の問題に鋭く切り込みます

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

宗教団体神社本庁という論法

「宗教団体神社本庁」という論法 花菖蒲ノ會は会報10号において以下のように主張しています。 「統理が指名するのは「宗教団体神社本庁の総長(A)」であって、「宗教法人神社本庁の代表役員(総長のあて職/B)」ではありません 要するに、宗教団体として(=…

外苑再開発に反対する人に考えてもらいたいこと

坂本龍一は反対していたけれども 明治神宮外苑の再開発に対し反対していた故・坂本龍一氏の遺志を継ぐ形で反対集会が行われました。 神宮外苑の伐採、アーティストら反対集会「坂本龍一さんの遺志を」 | 毎日新聞 坂本龍一氏が生前に都知事などに送っていた…

本庁問題とキャンセルカルチャー

最初から違和感 百合丘職舎売却をめぐる背任疑惑が報道された時に私は強い違和感を覚えました。 職舎を意図的に安く売ったのであれば、その損失額を弁償しろという話になるのが普通です。それなのに百合丘職舎では弁償よりも総長辞任が叫ばれていたので、「…

神社本庁統理の条件

神社本庁統理という役職 神社本庁には、宗教法人のトップ(代表役員)である総長と宗教上のトップである統理の2人のトップがいます。厳密には統理と総長の上に総裁がいますが、役員会に参加したり、決裁に関与するのは統理・総長までで、総裁は運営には完全…

花菖蒲ノ會会報10号11号読後評

宗教界の数十年の努力を無にする行為 オウム真理教事件をうけて宗教法人法が厳しく改正されました。同時に日本の宗教界は宗教そのものの社会的信用を取り戻すべく努力してきました。神社本庁でも創設以来、宗教法人法を遵守し、各種手続きに遺漏がないように…

神社護持の一方策

どうでもよい問題 全国の神社は終戦直後に匹敵するような危機的な状況にあります。全国をみまわしても「うちの神社は100年後も安泰だ」と言う宮司・総代はおらず、「氏子が減ってしまって」、「若い人がいないので祭典ができない」など将来に対しネガティブ…

奥ゆかしさの大罪

表面上は遠慮する 事務総長に辞任を勧めた評議員の回顧録のなかに、次のような興味深いエピソードも語られています。ある人物は次期事務総長と推す声もあり、自身も事務総長への意欲があったにもかかわらず、現任の事務総長に対しては「自分は高齢で重責を担…

本庁問題の本質

直接対決を避ける神職 とある評議員の回顧録に、理事会で事務総長の意見に満場一致で賛成しておきながら、裏で撤回と辞任するように事務総長を説得してほしいと頼まれたことがあるという述懐があります。神職にはこのように表で賛同しながら裏で根回しするこ…

藤原登コラム27号読後評

はじめに 今回は藤原登氏のコラム「『神社本庁憲章』を否定して悪あがきを継続する田中-打田体制-自壊する前に、神道人の良心で自浄への道を切り拓け!-」(月刊「レコンキスタ」令和5年4月号所収)について書評します。 『神社本庁憲章』を否定して悪あが…

『東神』読後評

東京都神社庁による続報 東京都神社庁の職員による金銭上の非違行為について、①『週刊現代』2023年3月11・18日合併号、②藤原登「明らかになってきた田中・打田一派の卑劣極まる手口の数々!-正常化陣営は、神社本庁再生の理念を堂々と掲げよ(後)」(月刊…