神道研究室

在野の神道研究者が神社の問題に鋭く切り込みます

質問回答

①宗教と政治の関りについてどうおもうか?

今回はコメントにいただいた2つの質問に対し回答します。

重要なのは、宗教と政治が関わり合いを持つことではなく、宗教が政治と関わって何をするかです。政治家が宗教団体・宗教法人の会合に参加しようが、参拝しようが、それはその政治家の信教の自由であり、有権者としてチェックすべきは政治家が特定の教団を依怙贔屓になるような政策を実施しているか、いないかです。

政治家は当選しなければなりませんから、票が集まるのであれば、様々な集会に顔を出します。宗教団体・法人はそうした票田の一つであり、宗教団体・法人の集会に参加しているからといって、その政治家がその宗教の手先だという証明にはなりません。

特定の教団が母体になっている政党もありますが、どの教団が母体になっているかを隠して活動していたら問題だと思いますが、母体を公にしているのであればそれは参政権の行使(宗教者や信者も国民ですから)です。これも教団がその政党の議員を通じてどのような政策をしたか、特に自分の教団を依怙贔屓するような政策をしていないかという観点から検証すべきだと思います。あと宗教研究としては得票数で実際の信者数を概算できるというメリットもあります。

政治と宗教の関わりというのは範囲が広く、いろんな視点から論じることができますのですべてを論じきることはできません。機会があれば改めて別の視点から論じてみたいと思いますし、具体的にこういう観点からというリクエストがありましたらコメント下さい。

②本庁問題の代表役員変更登記についてどう思うか?

これは公開されている情報だけでは具体的な状況がわからないので論評しかねます。特に、手続きする前に神社本庁の印鑑を管理する部署とどのようなやり取りがあったのかが重要な確認ポイントだと思います。